1971年(昭和46)に創設され、隔年で開催されてきた日本陶芸展は、今回で第25回を迎えました。会派や団体にとらわれずに「実力日本一の陶芸作家を選ぶ」というコンセプトのもと、約半世紀にわたって開催されてきた公募展で、松井康成や三代德田八十吉など、重要無形文化財保持者(人間国宝)として活躍した作家も歴代の大賞受賞者に名を連ねています。
本展覧会は、公募部門と招待部門で構成されています。公募部門は、第1部・伝統部門(伝統を踏まえた創作作品)、第2部・自由造形部門(用途にとらわれない自由な造形による作品)、第3部・生活の器部門(生活の中で用いられる器)の3部門に分かれ、今回は509点の応募作品から136点が選ばれました。大賞・桂宮賜杯は五味謙二氏、優秀作品賞・文部科学大臣賞はアイザワリエ氏と、茨城県在住の作家がそれぞれ受賞しました。また、特別賞である茨城県陶芸美術館賞は高橋朋子氏が受賞しました。招待部門には、重要無形文化財保持者(人間国宝)の前田昭博氏、福島善三氏、十四代今泉今右衛門氏の作品を含む14点が出品され、両部門をあわせた計150点の作品により、現代日本陶芸の最高水準を紹介いたします。