この度、当館コレクションより、ジョルジュ・ルオーの版画集「流れる星のサーカス」をご紹介いたします。20世紀のフランスを代表する画家ルオーは、14歳の頃ステンドグラス職人に弟子入りし、その後画家を志し国立美術学校で絵画を学びます。そこで、画家ギュスターヴ・モローの指導を受け、詩人や小説家らとの親交を深めながら独自の世界を確立しました。
ステンドグラスを思わせる太く力強い輪郭線と、重厚な色彩による作風は、深い精神性が表れています。日本の画家にも大きな影響を与えた画家です。
サーカスは、ピカソ、シャガールなど多くの芸術家が取り上げた主題ですが、表の華やかな舞台だけでなく、裏にあるサーカスの人々の人間としての悲哀を表現しました。今回の、「流れる星のサーカス」でも人々の様々な表情が描かれています。
また、参考展示として鹿児島出身の画家 東郷青児と、画家 マルク・シャガールが描いたサーカスをモチーフにした作品も同時展示いたします。
20世紀最大の宗教画家と称されるルオーが描いたサーカスの世界をお楽しみ下さい。