古今東西、人は自らのよそおいに工夫を凝らし、楽しんできました。とりわけ19世紀パリでは、ジャーナリズムの発展とともに、現代につながるモード(流行)が生まれます。ほどなくして日本でも、外国のファッションが様々なかたちで受け入れられ、独自の発展を遂げました。時代時代の美術作品に描かれた人物も、当時の社会経済や文化を映しだす多様なよそおいに身を包んでいます。本展では、イギリスとフランスを主とした近代西洋から現代日本までの美術作品にあらわれたファッションについて、当館の所蔵品を中心に紹介します。さらに、画中の人々の服を着る・脱ぐ行為や、身体と服の関係性にも注目し、作品の中のファッションがつむぐ物語を紐解きます。