屏風は、「広い部屋を仕切る」、「部屋の雰囲気を変える」、「風よけ」という機能を持つ調度品です。本来は実用品であった屏風ですが、中世後半以降、絵画をはじめとしたさまざまな加飾が施されることによって室内を彩る美術品として、生活のなかで広く用いられてきました。
屏風の最も大きな特色は、折り曲げたり伸ばしたりできることです。このため、大画面を生かした広大な風景や、等身に近い人物を配するなど力強い表現をみせることができます。また、平面の絵画とは異なりジグザグに折ることによって、空間の奥行に工夫をこらすことができ、屏風絵ならではの面白さを味わうことができるのです。
本展では、江戸時代後期の京都画壇で活躍した岸駒や、同じく京都で活動し御所の障壁画制作にも参加した吉田公均などが描いた屏風、朝鮮王朝時代に制作された屏風などを展示します。