山田恵子は構築的な鉄の彫刻で知られる作家です。
彼女の彫刻は鮮やかに彩られています。鉄の持つ重厚感と、色彩から来る飛翔感が、彼女の作品に独特の世界を作り上げています。
彼女は後術の略歴にもありますように、大学時代は絵画を専攻しており、前回の展覧会では、実験的に始めての本格的な絵画によるものでした。
それにより絵画、そして彫刻を分けて考えることの意味を感じなくなったと言います。
長らく彫刻家として知られてきた山田恵子が、自由な発想で絵画、彫刻を行きつ戻りつして制作したのが、今回の展覧会と言えましょう。
彫刻を制作する上で、常に彼女の源泉となってきたものが絵画であり、その原点であるものを見直す事によって彼女の制作の根元が垣間見えたのではないでしょうか。
是非ご高覧、ご掲載賜りますよう、お願い申しあげます。