暁斎はさまざまな動物を飼い、写生をしていました。『暁斎絵日記』や自画伝と言える『暁斎画談』を見ると、猫や鶏、亀、小鳥などから、猿も飼っていたことがわかります。また、鯉やエビ、モグラや蝙蝠(こうもり)などの生き物、小さな虫に至るまで、暁斎は自ら写生し、弟子たちにも観察や写生を実践させています。彼らは写生を繰り返すことでそれらの生態を記憶にとどめ、写実的な動物画から動物戯画・諷刺画へとその表現世界を広げていきました。今回は暁斎と一門の写生図や暁斎ならではの動物戯画、蛙を愛した暁斎が描いた蛙の絵の数々をご鑑賞いただきます。
また第3展示室では、恒例の「第32回かえる展」を開催いたします。当館の夏の風物詩、かえる友の会会員の皆様による蛙グッズのコレクション展を併せてお楽しみいただければ幸いです。
平成30年7月1日 公益財団法人河鍋暁斎記念美術館 館長 河鍋楠美