平成24年に文化勲章を受章した日本画家・松尾敏男(1926-2016)は、牡丹の名手として知られていますが、初期から晩年に至るまで、花鳥・人物・風景・動物と幅広いテーマに取り組み、留まることなく歩み続けました。対象と真摯に向き合い、感得した生命の輝きを、清澄な色彩で描き出した作品には、画を愛し描くことに人生を捧げた松尾の誠実な人柄までもが表われています。
本展覧会は、生前に松尾が自ら出品作品を選定し「最後の展覧会」と位置づけていた企画で、没後初の回顧展として開催いたします。一途に画道を追究した松尾敏男の、格調高い世界をお楽しみください。