明治の初めに生まれた鏑木清方は、大正、昭和と激動の時代を生き、93歳でその生涯を閉じました。挿絵画家から日本画の大家となった清方は、美人画・風俗画・物語絵・肖像画など様々な分野の絵を描き、その多彩で品格ある表現は、清方芸術の大きな魅力となっています。
清方は、歌舞伎や戯作などの大衆文化に取材し、市井の女性の美を作品に描くなど、市井の人々が連綿と受け継いできた暮らしに常に心を寄せ、制作を重ねました。
本展覧会では、今年、開館20周年を迎えることを記念し、幅広い清方の画業を紹介し、市井の生活や文化に見出した清方の美の軌跡を辿ります。