東西文明のであうところ。魅惑の都。遥かなるイスタンブール...
地中海に面し,イスタンブールを最大の都市とするトルコは,昨年のワールドカップでは第3位に
輝くなど,今もっとも注目を集めている国です。また,歴史的にみれば,アジアとヨーロッパ文化
の十字路に位置し,様々な国の盛衰と民族・宗教の交差点的な役割を果たしてきました。
ノアの箱舟,トロイの木馬,アレクサンドロス大王の遠征,聖母マリア最後の地,十字軍などの
神話や伝説に彩られ,トプカプ宮殿やブルーモスクに代表される宮殿と寺院の国,トルコ。
本展覧会は,「2003年日本におけるトルコ年」の中核イベントとして位置付けられたもので,
トルコが「アナトリア」と呼ばれていたギリシャ,ローマを経てセルジュク・オスマンというイス
ラム文明へと続く7000年におよぶトルコの文明と美術を余すところなく紹介するものです。彫
刻・工芸・染織・宝飾品など,さまざまなジャンルから選び抜かれた600点を超える作品の中に
はまばゆいばかりの装飾品,華麗で優美な文様をもつ陶磁器などが含まれ,まさに珠玉の名宝とも
いうべきものです。