北前船の寄港地として栄えた酒田には、全国各地から流行物や美術品が伝わっています。そうした地域性から、江戸期以降も美術や歴史に対する嗜好は強く、数多くの美術品や史料が先人たちの熱意によって伝来されてきました。その中でも、特に貴重な品は国や県、酒田市の指定文化財となっています。
また、藩主酒井侯がお茶に傾倒していたことや、隣県の秋田から玉川遠州流が伝授されたことにより、酒田では古くから茶道が盛んでした。文化財には、藩主や茶人たちが珍重した茶道具や茶掛物も多く見られます。
本展では、当館が所蔵する貴重な指定文化財と、本間家が藩主より拝領した茶道具の名品をご紹介します。日本遺産『荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~』の構成文化財でもある「鶴舞園」と共に、酒田の文化と歴史、日本をはじめとする東洋美術の粋をお楽しみ下さい。