出雲地方には、大名茶人として名高い松江藩七代藩主・松平不昧にまつわる茶道具が数多く伝わります。不昧は木工の小林如泥をはじめ、藩窯として代々茶陶を専門に焼成した楽山焼の長岡住右衛門や布志名焼の土屋雲善、漆工の小島漆壺斎などを指導し、好みの茶道具をつくらせました。さらに、不昧が育てた職人の優れた技と美意識は、次の代へと受け継がれていきます。
今年は不昧が没して200年の年にあたります。本展では不昧の竹花入や自筆の書、不昧が育てた出雲の職人の工芸品に加え、100年前の大正6年に不昧没後100年を記念し制作された不昧公顕彰記念品をご紹介します。