“私は詩人になりたいと思った。けれど、私の詩稿はパンの代りにはなりませんでした。ある時、私は、文字の代りに絵の形式で詩を画いてみた。・・・・・・・”(『夢二画集 春の巻』より)
当時の文学青年の例に漏れず、青年期の竹久夢二(1884-1934)は〈詩人になること〉に強く憧れていました。詩人の夢に破れた彼が編み出した表現方法、それは得意の画才を生かして
「詩情を絵画で表現する」ことでした。
本展覧会では、夢二が残した〈詩人画家〉としての足跡を、詩画集の刊行や日本画の画賛、流行歌「宵待草」をはじめとする楽曲の作詞活動から紹介します。
夢二が画筆によって描いて見せた〈詩〉は、現代に生きる私たちにも、多くの共感を呼び覚ますことでしょう。