世界に通じる絵画として、戦後に日本画の現代化を進め、新しい表現を切り開いてきた画家たちの芸術を、稗田一穂(1920- )の作品を主にして紹介します。
田辺市立美術館は、当市の出身で一貫して新しい日本画の表現を追求しながら、独特の詩情をたたえた作品を発表し続ける稗田の制作に注目し、開館当初から作品の収集を進めてきました。今回の展覧会では、それらの作品を一堂に展観して、稗田の芸術の軌跡をたどります。
また、稗田が自らの制作を世に問い、その芸術を確立してゆく場となった、戦後間もなくに結成され今年創立70周年を迎えた美術団体「創画会」で活躍した同世代の画家たちの作品や、日本画の展開を牽引した重要な画家たちの清新な作品もともに展示して戦後に広がった日本画表現の豊かな魅力をお伝えします。