昭和三十年、友禅の人間国宝に認定された木村雨山は、対象を描写する糸目糊置きや、叙情的な色ぼかしなど、日本画の修練で身につけた技術を友禅に応用し、独自の世界を確立しました。
木村の晩年から頭角を現した二塚長生は、同じく日本画の運筆を生かして糸目糊の線による表現を追求し、手描きの友禅の絵画性を純化した、自然の本質を表す作風が評価され、平成二十二年に人間国宝の認定を受けています。
平成二十九年で木村雨山は没後40年を迎えます。この節目を記念して、加賀の地にゆかりのある二人の人間国宝、木村雨山と二塚長生の代表作を一堂に公開し、その業績を紹介します。