岡崎市美術博物館(マインドスケープ・ミュージアム)では、平成15年度企画展として、「ボルティモア美術館所蔵 バルビゾン派~印象派」展を平成15年4月5日(土)~平成15年5月18日(日)まで開催します。
アメリカ東海岸に位置するメリーランド州の州都ボルティモアは、商工業を中心に発展した町ですが、文教都市としても知られています。多くの大学を要するこの町の人々の文化・教育に向ける意識は高く、その結実のひとつがボルティモア美術館の多彩な所蔵品の数々となっています。多くの個人コレクションが寄贈・寄託され、ローマ時代から現代にいたる幅広い作品が集められています。特に充実しているのが19世紀のフランス絵画です。ボルティモア出身で19世紀後半をパリで過ごしたジョージ・ルーカスは同時代の絵画を熱心に収集しました。そのコレクションを中心にこの時代の作品が美術館には集められています。
今回の展覧会では、その貴重なコレクションの中から98点を選び、バルビゾン派から印象派にいたるフランス絵画の流れを4つの章に分けて展示します。歴史画や宗教画が重要視されたフランス絵画にあって、風景画に大きな変革をもたらし、その位置を高めたのがバルビゾン派と呼ばれる画家たちです。オランダやイギリスの絵画に影響を受けた彼らは、1830年から1870年にかけ、パリの雑踏から離れ、フォンテーヌブローの森やバルビゾン周辺の自然の中に入り込み、風景やそこに暮らす人々を精緻なスケッチにより写実的に表現していきました。そして彼らの元から次の印象派の画家達も育っていきます。コローをはじめとし、ルソー、ディアズ、ミレー、ジャック、ドービニーらのバルビゾン派、その影響を受けたピサロ、シスレー、モネ、ルノアールら印象派の優品の数々をゆっくりご鑑賞いただければ幸いです。