2016年11月に開館した久留米市美術館は、早くも 1周年を迎えることとなりました。1つの節目となる今回の展覧会では、九州・鹿児島出身の洋画家東郷青児(1897-1978)を紹介します。東郷の生誕 120年を記念する本展では、初期の前衛的な作品から 1950年代末に確立したと考えられる甘美で抒情的な「東郷様式」に至る軌跡を4つの章立 てでたどります。《サルタンバンク》などの代表作に加え、これまで紹介される機会が少なかった藤田嗣治と競作した壁画、 83年ぶりの公開となる久留米市美術館の新収蔵品《扇》など約 60点の作品と、彼が手がけた装丁本などの資料から、東郷の抒情と美のひみつをひもときます。