一般1,030円(820円),大学生720円(620円),高校生・65歳以上510円(410円),中学生以下無料
*( )は前売り及び30名以上の団体料金
前売券発売所
広島市現代美術館受付,チケットぴあ(Pコード:768-729),エディオン広島本店プレイガイド,福屋友の会受付(八丁堀本店7階,駅前店7階),広島大学消費生活協同組合,ひろしま夢ぷらざ,安芸美材,ギャルリ青鞜,ガレリア・レイノ,木利画材,ピカソ画房,ブラック画材,ムッシムパネン
モカパス MOCA Pass
1年間,展覧会をいつでも何度でも観覧することのできるお得なパスです。他にも多数の特典あり。詳しくはホームページをご覧ください。
県美×現美×ひろ美 相互割引
「交わるいと」の会期中に広島県立美術館,ひろしま美術館で開催される特別展チケット(半券可)を受付にて提示いただくと,観覧料が100円割引になります。*1枚につき1名限り,他の割引との併用はできません。
織物の大半は空気でできています。織物の質量のうち繊維が占める割合は通常20-50%に過ぎず,繊維を撚って糸を紡ぐにも,糸と糸を交わらせて布を織るにも,そこには必ずすき間ができます。そのすき間,空間があるからこそ,布は薄く軽やかで,伸び縮みして丈夫で,あたたかくあることができるのです。糸と糸がどのように交わって,どのような形のすき間をつくるのかによって,布の布たる所以が生まれ,その性質や表情もできあがっていきます。
この展覧会では,糸や布,繊維を素材に制作を続ける15人と1組の作り手たちによる営みを紹介します。伝統工芸から現代美術,デザインまでジャンルはさまざま。それらを貫く導きの糸としたいのが,精神病理学者の第一人者であり臨床哲学の先駆者でもある木村敏の次のような言葉です。「自己とは,自己と他者とのあいだ―現在の事物的世界とのあいだだけでなく,当面の他者とのあいだ,所属集団とのあいだ,過去や未来の世界とのあいだなども含む―の,そしてなによりも自己と自己とのあいだの関係そのもののことである」(『関係としての自己』みすず書,2005年)。つまり糸や布と向き合うことで,自己そして人の生のあり方をふかく見つめてみようというわけです。
タイトルの「いと」は素材としての「糸」を意味すると同時に,作り手たちの「意図」でもあります。糸が交わって布が生まれるように,作家たちの意図が交わってこの展覧会ができていきます。さらにみなさんが会場を訪れ(あるいは会場を出て,まちを散策し,思い思いに交わりながら「あいだ」の関係を幾重にも紡いでくれることを待っています。