「なびす画廊最後の十日展」のご案内を兼ねて
当なびす画廊は今回の展観をもって閉廊することになりました。
画廊の開設自体は五○年代に遡りますが、一九八五年、新ビル三階の現在地で再発足したのを機に、創業者のご子息で画家の故田淵安一さんから要請されて私、真倉が運営を担うようになってからだけでも、はや三十二年が経ちました。
その間、多くの方々にご支援いただき、忘れがたい出会いにも恵まれ、企画と貸画廊の両面で若い才能の応援に微力を尽くすことができました。導き、見守ってくださった方々、わけてもオーナー側の遠藤久美さんと田淵充さんに心から感謝いたします。
閉廊の作業中、舟越直木さんが六十四歳で亡くなりました。私がひそかに「たましい派」と呼んでいたなびす画廊の同人たちから格別に愛されていた作家でした。今回の最終展には、手元に残し置いた彼の初期彫刻作品も含め、なびす画廊に生気を吹き込んでくれた「たましい派」をはじめとする常連の作家たちの小品を展示しますが、これが期せずして永遠の青年彫刻家・舟越直木を追悼する機会ともなってしまいました。
最後に、ここから出発していった多くの芸術家たちの一層のご活躍を期待し、併せて、長い間ご来駕、ご指導賜わりました皆様に、改めて深くお礼申し上げます。
ごきげんよう。
真倉光子
込宮麻衣
二〇一七年七月吉日
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