バロック絵画は、16世紀末にイタリアを起源として成立し、18世紀初頭までにヨーロッパ全域に広がりました。これらの絵画は、理性よりも感情に訴えてカトリックの信仰心を高揚させ、視覚イメージによって聖書の言葉を身近にする役割を担っていました。また、宗教画以外にも、世俗的な風俗画や風景画などの分野で多彩な発展を遂げ、様式的には極端な明暗の対比やドラマティックな場面描写、力強い躍動感などの特徴が見られます。
今回、220周年を迎えたチェコ共和国最古のプラハ国立美術館をはじめ、ポーランドのヨハネ・パウロ2世美術館、フランスのシャルトル会修道院美術館から、イタリアのティツィアーノ、オランダのレンブラント、フランドルのルーベンス、フランスのプッサン、スペインのベラスケスら、地域を越えた多彩な画家たちの作品が集められます。ヨーロッパ各国のバロック絵画の全貌を概観できる絶好の機会ですので、その魅力をご堪能ください。
※会場内の温湿度と明るさは、作品の保存に適した値まで下げています。ご理解のうえ体温調節ができる服装でのご来館をお勧めします。