このたび、蓮如上人が三河に巡化(じゅんけ)されて平成30(2018)年で550年を迎えることを記念した企画展を開催いたします。
蓮如上人(1415-1499)は浄土真宗の僧で、本願寺中興の祖といわれます。愛知県は浄土真宗や禅宗が大きくひろまった地帯ですが、なかでも西三河地域は浄土真宗の歴史的展開が顕著です。それは蓮如上人の三河巡化により、本願寺教団が大きく発展したからです。
たとえば、碧南市西端地区にある應仁寺(おうにんじ)は、その縁起によると蓮如上人が室町時代の応仁年間に西端を訪れて同寺を開創したといい、寺号は応仁の年号によります。西端の出生とされる如光(にょこう)が、三河における有力門弟として蓮如上人を支えたため、如光ゆかりの地を訪れたといわれます。
こうした蓮如上人とゆかりを持つ寺院は、西三河地域にとても多くあります。
そこで本展では、西三河地域をはじめ各地に伝来する、蓮如上人、如光ゆかりの法宝物や史料をご紹介することにしました。そこから、應仁寺や蓮如上人の事績、蓮如上人と如光の関わり、如光亡き後の展開をたどり、「三河の蓮如さん」の実像に迫ります。
蓮如上人の動向と本願寺門徒の展開が、西三河地域、そして碧南の歴史に深く関わっていることを感じ取っていただければ幸いです。