“近代日本画の父”と称される狩野芳崖(かのうほうがい)には4人の高弟がいました。岡倉秋水、岡不崩、高屋肖哲、本多天城の4人です。彼らは芳崖の最晩年に師事し、また芳崖の絶筆「悲母観音図」の制作を間近で目撃しています。そんな彼らは開校間もない東京美術学校において、同期生たちから「芳崖四天王」と称され、一目置かれる存在であったと伝えられています。
本展は、「芳崖四天王」に注目した初めての展覧会です。多数の新出作品から、知られざる四天王の人と作品を紹介します。また師・芳崖を中心に、狩野派の最後を飾る画家たちの作品や、四天王と同じ時代を生き、岡倉覚三(天心)と共に日本画の革新に挑んだ横山大観、下村観山、菱田春草ら日本美術院の作品が一堂に会します。
芳崖の創った多様な近代日本画の水脈を辿り、その魅力あふれる作品をご覧いただきます。