「LOVE」をキーワードに、画家、詩人、デザイナーとして明治末から現代まで多くの人々を魅了してやまない竹久夢二の作品が、どのように愛されてきたのかご紹介しながらその魅力をひも解きます。
夢二作品の独特な世界観は絵画・イラスト・デザインなどを通して人々の生活に深く関わり、愛され続けてきました。特に明治末から大正にかけて女性たちは夢二の描いた女性像を真似し、「夢二式美人」ということばも生まれ、大正ロマンを代表する流行を作りだしました。そして、今日まで夢二作品は人々に愛され続けています。夢二を愛した人々の言葉も通して作品をご覧いただきます。
また、作品を持つ人々がいかに夢二作品を大切にし、愛してきたかがうかがえる“表装”にも注目します。表装は作品を保護すると共に、それ自体に装飾が凝らされ、作品と一体となり見て楽しむ文化を形作ってきました。夢二作品の表装は、チェックや縞模様などモダンでかわいらしく、個性的な仕立てになっているものが多くみられます。これも夢二の作品世界にあわせて、型にはまらない素材の柄や色の取り合わせをよしとした、作品への愛情のひとつではないでしょうか。作品とともに魅力を引き立てあう表装にも注目してご覧ください。
※表装とは、書画作品を布や紙に貼って、掛軸や屏風などに仕立てることをいいます。