ヒロクニさんにはドキドキする。島田誠さんに悪態をついたり、眼光鋭く見つめられたり、それだけで小心者の私はすくんでしまう。描くことが生きること、人生と丸々引き換えと言わんばかりの求道者のような創作には、心がザワザワする。真冬の青空のような、突き抜けた明るい色鉛筆の色彩、苦難と呻吟の最奥で見出した色と形の躍動からは、貧乏ロックバンドの中古レコードを物色して街をぶらついていた若い頃の自分を思い出してワクワクする。恐ろしく、切なく、それでいて晴れやかなヒロクニさんは、とにかく気になる存在なのだ。 服部正