このたびサンリツ服部美術館では、近世から近代にかけて日本人に愛用された食器の魅力をご紹介するコレクション展を開催いたします。
料理を盛るうつわとして古来より人々の生活を支えてきた食器。日本では料理によって細かく食器を使い分けるため、他国と比べ種類が多いことが特徴です。また、料理を美しく見せるために質感や色合いにも気を配り、季節や行事に応じて用いられるさまざまな食器は、日本料理の見どころの一つとなっています。このように、美しく繊細な盛り付けや食器を目で見てたのしむ日本では、料理を「目で味わう」という独特の文化が育まれてきました。
本展では、桃山時代から江戸時代につくられた向付や鉢のほか、重要文化財「色絵芙蓉菊文皿(鍋島)」や美食家として知られる北大路魯山人が制作した「武蔵野図鉢」も出品いたします。意匠を凝らした食器の名品を通じて、食をたのしむ日本の文化に触れていただければ幸いです。