20世紀シュルレアリスムを代表するスペインの画家サルバドール・ダリ。1904年に生まれ、幼くして絵画の才能を開花させたダリは、誇大妄想的顕示欲こそが創造力の根源とし、独特な作品世界を築き上げました。奇矯な言動やパフォーマンスでも話題を振りまき、油彩や版画のみならず、彫刻や舞台デザイン、映像など、幅広い芸術活動を体現しています。本展では、版画集『神曲』(ダンテ著)や『シュルレアリスムの思い出』など、ダリの初期から円熟期、そして晩年に至る200点以上の版画作品をとおして、従来の版画そのものの価値観をくつがえした画期的な作風を検証するとともに、彫刻作品も加えて20世紀最大の奇才といわれるダリの真髄に迫ります。