2011年6月11日、初めて福島県いわき市豊間の海岸へ行った。
震災ボランティアのツアーに参加し、こっちの集落は80名、あっちの集落は100数十名が命を落としたなんて土地の片付けを手伝っていた。
その日はライブも行われ、現地の方と言葉を交わすことが出来たのだけど、音楽を楽しむなんて心境には至れていないんだろう、みんな一様に疲れた顔をしていた。そんな中、小学4年生くらいのとても元気な男の子がいたので、ボクはちょっとホッとした気持ちで話しかけてみた。
「キミ、どこから来たん?」「あっち」「被害が小さかったって聞いたとこかな?」「小さく無いよ!2人も死んだんだ」
ボクは80名が犠牲になった土地に立って男の子とコトバを交わし、ガツンと頭を殴られたまま「被災地」と呼ばれる土地を歩き、絵を描き、あれから6年後の熊本へ向かう。