加藤アキラは、1960年代に前橋を舞台に活動した「群馬NOMOグループ」の作家として活躍しました。車の整備工として勤めるかたわら作品制作を行っていた加藤は、アルミニウムやワイヤーブラシなど身の回りにある道具や素材を用いた作品で注目を集め、1969年には全国的に評価の高い新人が選出される「現代美術の動向展」(京都国立近代美術館)に選出されます。加藤の創作は身の回りで廃棄されていく日用品や自然の素材を寄せ集めて僅かな細工を施す[ブリコラージュ]によって作品へと昇華させます。今日リノベーションやオーバーホールなど物を再生させ新たな価値観を付与することが求められる時代に、日常に埋もれて行く産業製品などに息吹を与える加藤の作品は多くの示唆に富むことでしょう。このたび新たに群馬を代表する現代美術家のひとりとして加藤アキラの活動を総覧する初の展覧会です。