新春の1月2日に急逝した深沢幸雄さんを偲びながら、偉大なるその足跡を辿るべく、追悼展を開催いたします。
1924(大正13)年に中巨摩郡平林村(現 南巨摩郡富士川町平林)に生まれた深沢幸雄は、東京美術学校(現 東京藝術大学)工芸科彫金部を卒業後、東京空襲時に足に怪我を負い、油彩などの大作が描けなくなったことで、机上で制作が可能だった銅版画を独学で習得しました。
以後、駒井哲郎や浜田知明といった先駆的な銅版画家たちを研究した彼は、後には”銅版画技法の神様”とまで評されるようなオリジナルな表現を確立し、日本を代表する銅版画家として92年の作家人生を全うしました。
本展では、2006(平成18)年に、作家本人より南アルプス市立美術館に寄贈された400点余の作品群の中から、銅版画をはじめ、陶芸、書、パステル、ガラス絵など、命の根源をテーマにしながら心のドラマを描き続けた、芸術家深沢幸雄の軌跡を60点余の遺作により辿ります。