このたび華鴒大塚美術館では、末広がりのおめでたい形に注目した扇面画展「新春の寿ぎ-扇面・心擽るかたちの世界」展を開催いたします。
扇面は、円弧と2本の半径によってつくられる形が画面となり、限定されたその形は、古くから書画表現のひとつの形式として表現者の心を擽り、鑑賞者にとってはイメージを構想する小さな、そして大きな造形空間をなっています。描かれる題材は、花鳥画や風景画、故事人物などの人物画や物語絵などさまざまで、扇面という特徴ある形ゆえ空間表現や構図、モチーフの配置に趣向と機知を凝らしたものが多くあります。
本展では、扇面描きの達人といわれた冨岡鉄斎をはじめ、金島桂華や小野竹喬、池田遥郭ら近代の日本画家たちが描いた花鳥画や風景画の扇面画に、洋画家たちが描いた興味深い扇面画の数々をあわせてご紹介いたします。吉祥の形‐扇面、新年を寿ぐ展観としてどうぞお楽しみください。
あわせて、当館の近代日本画コレクションから吉祥のモチーフを扱った作品を集め、新年の門出を祝います。