共催:Steidl社、東京藝術大学デザイン科視覚伝達研究室 協賛:キヤノンマーケティングジャパン株式会社、株式会社 熊野新聞社、株式会社 資生堂、株式会社 ディライト・クリエーション、PUNCTUM TIMES、写真文化首都「写真の町」東川町、BXG株式会社、株式会社 横浜水信(50音順) 特別協力:株式会社shashasha、The Tokyo Art Book Fair、POST、U.S. & Associates 協力:株式会社テレビマンユニオン、東京ドイツ文化センター
概要
ロバート・フランクは、写真と映画の歴史に最も影響を与えた人物のひとりに挙げられ、その作品は静止画と映画の美学を再定義してきました。しかしながらその影響の大きさ(特に写真集というアートの形において)にもかかわらず、フランクの作品が展示される機会は限られています。そうした事態を解消するために、展覧会Robert Frank: Books and FIlms, 1947-2016は企画され、主に大学や学校などの教育機関を会場として世界を巡回しています。 フランクのオリジナルプリントには現在非常に繊細な扱いが求められるため、そのほとんどが公開されていません。ギャラリーや美術館や投資家たちは、彼のオリジナルプリントの展示に厳しい条件を課し、貸出には法外な保険料が求められます。そのため従来のスタイルの展覧会を行うことはきわめて難しい状況です。それに対して本展では、フランクの写真はどんな会場にでもすぐに設置できる廉価な新聞用紙に印刷されており、“商品”としての価値は低く、さらに会期の終了とともに破棄されることで、美術市場の思惑-売買と消費のサイクルを回避できるようになっています。この展覧会の原案がカナダのマブーの小さな家に住むフランクの耳に届いたとき、彼はこう言いました。「安くて、素早くて、汚い。そうこなくっちゃ!」 東京展では、東京藝術大学の学生が展示什器の制作から、イベントの企画、広報の手配など、展示の実現にあたって重要な役割を果たしています。独特な展示スタイルによって教育的な価値も大きい本展ですが、開催に至る過程もまた貴重な教育の機会となりました。 従来にはないスタイルの本展のカタログは、ドイツの有名な日刊紙である「南ドイツ新聞」の特別エディションであり、定型のフォーマットに則ってデザインされ、再生新聞用紙に印刷されています。このコラボレーションによって低予算での製作が可能となり、より多くの人が手に取れるようわずか5ドル(東京展では500円)という低価格での販売が実現しました。