タイトル等
昭和の洋画を切り拓いた若き情熱 一九三〇年協会から独立へ
会場
河口湖美術館
会期
2016-10-29~2016-12-23
休催日
12/6(火) 12/13(火) 12/20(火)
開催時間
〔10月から11月 9:30-17:00(入館は16:30まで)〕
〔12月 9:30-16:30(入館は16:00まで)〕
観覧料
一般・大学生800(720) 高校生・中学生500(450) 小学生以下無料
カッコ内は8名以上の団体料金
毎月14日は入館無料の日

《2館共通コラボチケットあります》
河口湖美術館(通常800円)+河口湖ミューズ館(通常600円)=通常1400円→1100円
主催者
河口湖美術館
協賛・協力等
企画・協力◆公益財団法人日動美術財団
概要
時の内閣総理大臣は憲政会の若槻礼次郎、ボクシング世界ヘビー級王者はジャック・デンプシー。小説家川端康成が『伊豆の踊り子』を発表し、チャップリンの映画『黄金狂時代』が日本でも公開され、高柳健次郎が世界で初めてブラウン管を使用した画像「イ」の送受像に成功、印象派の巨匠クロード・モネが世を去り、東京上野に東京府美術館(のちの東京都美術館)が開館、元号が大正から昭和に変わったこの年-1926年の5月、ヨーロッパ留学から帰った意気盛んな青年画家5人がひとつの美術団体を立ち上げました。団体の名称は彼らの敬慕するバルビゾン派が1830年派とも呼ばれたことになぞらえた「1930年協会」。
1920年代前半、芸術の都パリに学んで友情をはぐくみ、当時最先端芸術のひとつだったフォービスムなどの新思潮を身につけて帰国した5人の若者、小島善太郎(1892-1984)、木下孝則(1894-1973)、里見勝蔵(1895-1981)、前田寛治(1896-1930)、佐伯祐三(1898-1928)は、1926年5月、東京京橋でヨーロッパ滞在中の作品など約170点によって「1930年協会第1回洋画展覧会」を開催し留学の成果を世に示しました。展覧会は評判を呼び、これに共感した若手作家で二科会所属の林武(1896-1975)、野口彌太郎(1899-1976)、木下義謙(1898-1996)らが新会員として加入、翌年の第2回展では公募を開始したところ各地の若い画家たちから支持を得てこれまた盛況となり、続く第3回展も成功裡に終えると、協会独自の絵画研究所を代々木に開設して講習会を実施するなど意欲的に活動を展開、1930年協会は新興美術団体として急激に注目を集めました。
1930年協会は、メンバーおのおのが先行団体への所属も継続したままの、いわば若手作家による超党派の集まりであり、彼らには画壇における政治的野望はなにもなかったようなのですが、あに図らんや旋風のごとく巻き起こったその勢いは、当時の官展アカデミズムや他の有力な在野団体が存在をおびやかされかねないと脅威を感じ、ある団体などは会員が1930年協会と掛け持ちして在籍するのを禁止する決まりまで設けるほどだったといいます。その始まりには清新だった明治時代や大正初期からの既成画壇が、それはそれで指導的立場として重要な役割を果たしながらも時を経るにつれて権威化し硬直化していくのを避けられない世の習い、そこに風穴を穿つかのような1930年協会の行動が若い血潮の共鳴を呼んだであろうことは想像に難くありません。
ところが、順風満帆と思えた1930年協会なのですが、佐伯祐三が1930年を待たずに病を得てパリで客死、里見勝蔵が29年に協会を離脱、木下孝則は渡欧し、前田寛治が病床に臥してしまったことで創立会員を欠いた協会は、ついにやってきた1930年の第5回記念展では、それまで以上の応募を受け付ける盛況のいっぽうで組織の消滅という局面を迎えてしまいます。そうしたなか、こんどは当時の有力団体だった二科会、春陽会、国画会をとび出した同志たちを中心に集まった若手作家たち-里見勝蔵、児島善三郎、林武、川口軌外、小島善太郎、中山巍、鈴木亜夫、鈴木保徳、高畑達四郎、福沢一郎、清水登之らが、1930年協会を継承発展させるかたちで、既成画壇からの決別、それそのものをテーゼに掲げて「独立美術協会」を創設しました。
そして1931年1月、「独立美術協会第1回展」が東京府美術館において開催されました。1930年協会に対する全国の若い絵画青年たちの支持をそのまま引き継いで勢いは止まりません。ある会員はその時の様子を次のように述べています、「それは作品の洪水であった」。
本展では1930年協会と、そして今に続く独立美術協会の草創期を支えた24人の作家、作品63点を展観いたします。
本展でご覧いただくのは今から90年前、忍び寄る軍靴の足音がしだいに大きさを増していることに人々がまだ気付かないでいた昭和のある時期に、時代を全力で駆け抜け、美術界に旋風を起こした若者たちの鼓動であります。
ホームページ
http://kgmuse.com/exhibition/showanoyoga/index.html
会場住所
〒401-0304
山梨県南都留郡富士河口湖町河口3170
交通案内
自動車 : 河口湖I.Cから 10分 、河口湖駅から 10分

バス : 河口湖駅から バス11分
※河口湖駅からの送迎:不可

【高速道路】
中央自動車道
河口湖I.Cより 約5.3km /
一宮御坂I.Cより 約21.2km /
甲府南I.Cより 約36.7km

東富士五湖道路
富士吉田I.Cより 約5.3km

東名高速道路
富士I.Cより 約52.4km

【バス路線】
レトロバス河口湖線 : 河口湖美術館
大石プチペンション村行き : 河口湖美術館前
甲府行き : 河口湖美術館前
ホームページ
http://kgmuse.com/
山梨県南都留郡富士河口湖町河口3170
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