具体美術協会は、1954(昭和29)年 吉良治良を中心に大阪で結成された前衛美術家の団体です。
翌1955年には機関紙『具体』を創刊し、それを機に白髪一雄、田中敦子、村上三郎らの先鋭も加わり、活動を活発化させました。
この「具体」に所属する作家たちは、画面上に表されたものよりも、それを作品に定着させるための“行為”に重点を置きました。その意味で、それまでの絵画とは一線を画しています。また泥に飛び込んだり、十数枚の紙を突き破って通り抜けていくという“行為(アクション)”をも作品としました。
こうしたところが国際的にも注目され、当時ヨーロッパを席捲していた「アンフォルメル」の作家たちの活動に参入することになりました。彼らの運動は、“芸術表現”と“日常”とを接近させたといえます。
今回の展示では、「具体」による素描と版画を出品します。