卓越した描写力と力強い画風により、新たな日本画の世界を切り拓く西田俊英(1953年~)。日本美術院の伝統を踏まえ品格ある画風を展開する西田は三重県伊勢市に生まれ、現在、日本美術院同人、評議員、広島市立大学名誉教授、武蔵野美術大学教授として日本美術院次代のホープとして注目を集めています。
西田は伊勢という恵まれた自然環境の中、鋭い感受性により、高校2年で洋画の春陽会に入選、その後ヨーロッパで東洋美術に目覚め日本画に転向しました。武蔵野美術大学在学中に院展に初入選をし、早くから才能を開花させ、奥村土牛、塩出英雄に師事し、卒業した年に日本美術院院友に推挙されます。その後山種美術館賞展優秀賞を受賞。文化庁芸術家在外研修員として1年間インドに滞在し、深い洞察力をもって人物画に開眼。独自の宗教観から生み出される絵画は日本美術院大観賞など、さらに多くの賞を受けました。
「日本画の道を学べり 忘るるなゆめ 一生を励み磨きゆくべし」恩師塩出英雄の言葉を胸に詩情あふれる優美な世界と物語に包まれた夢幻の世界とを繊細精緻な筆致で描いています。
本展では、画業46年を迎えた西田俊英の代表作に最新作までを含めた約60点の作品により、格調高い絵画の全貌をご紹介致します。