アニメーションは実写の映画とは違い、登場人物やその背景、雨や風などの自然現象にいたるまで、あらゆる素材をすべて一から描かなくてはなりません。分業化が進んだ現在のアニメーション制作において、スタッフ全員がイメージや世界観を共有し、作品に統一感を持たせ、同時に画面を決定する重要な役割を果たすものが、原寸大の紙に鉛筆で描かれた《レイアウト》です。本展では「風の谷のナウシカ」から「思い出のマーニー」まで、宮崎駿監督直筆のレイアウトを中心に、高畑勲、宮崎駿監督がジブリ以前に手がけた「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のアン」等も加えた、全33タイトルのレイアウト画約1,300点を一挙に公開します。一枚一枚のレイアウトには、そのカットで表現される“すべて”が詰まっています。スタジオジブリの名作アニメーションは、いかにして生まれたのか。レイアウトを読み解きながら、その秘密に迫ります。