宮本三郎は生涯にわたり人物を中心に作品を描きました。モデルには、歌手、女優、舞妓、踊り子、身近な人々。その中でも女性が多くつとめました。これらのモデルは、描くテーマに添いながら、宮本自身がモデルに対して強い思い入れをもって選ばれており、このことは作品に現れています。
晩年にはギリシャ神話や聖書をテーマとして描いていますが、その中にも多くの女性が描かれています。生命を生み出す「女性たち」への畏敬の念。その一方で表情の裏側に見え隠れする内面をも描き出そうと試みています。このことにより、宮本の描く女性像は私達に身近でより魅力的に感じられるのかもしれません。
本展は、これら宮本三郎の描いた人物作品を5テーマに分けて紹介します。宮本が人物像に込めた思いを作品から感じ取っていただければと思います。