「ひびきあう 小名浜-新地町」
東日本大震災後の2015年春に、福島県いわき市で作品を展示する機会がありました。展示期間中に、福島県の海岸の北端にある新地町で津波の後始末の仕事に従事されていた志賀幸雄さんから、現地に残されていた漁網用ロープのご提供を受けました。長いロープに、一回洗っただけでは取りきれない泥や錆びの跡がついており、なぞりながら震災直後の海岸の様子に思いを馳せました。
作品展示後も続いているいわき市在住の方々との交流のなかで、福島県南部の最大の漁港、小名浜港で操業していた第七住吉丸の漁業資料から提供していただいた漁網用ロープも加えて、この作品を制作しました。