山に魅せられ、山を描く。
島国の日本は急峻な山脈が縦断し、国土の7割が山で占められています。そのため、日本人にとって山は常に生活の中にあって信仰の源となり、様々な文学や芸術を生み出す言動力となりました。また、山は人間の力をはるかに凌駕する存在として、人々に雄大な自然の力、自然の象徴として畏敬の念も抱かせてきたのです。そうした山を、古今の画家たちは、己と向き合い、山と対峙しながら様々に描き続けてきました。
本展では、古川美術館所蔵品の中から山をテーマとした作品を展示します。不老長寿の憧れとして生み出した架空の蓬莱山から、霊峰としての富士、自然の恵みの美しさや自然の偉大な力を映し出したもの、また近代以降に現れる写実的な表現など、様々な山を紹介します。
山に育まれた感性や、画家が抱いた想いとともに、描かれた名山を巡る旅にご案内します。