17世紀後半、フランスブルボン王朝のルイ14世時代に、陶磁の建築美術の粋をつくして建築されたヴェルサイユ宮殿。ヴェルサイユの外観や内装は、「太陽王」と称されたルイ14世の栄華を象徴するように、壮大なスケールで絢爛豪華な装飾が施され、その姿は21世紀となった現在でも人々を魅了してやみません。
ヴェルサイユ宮殿の主は、ルイ14世、ルイ15世、またルイ16世王妃マリー・アントワネットなど、時とともに移り変わりましたが、そこでは彼らによって、連夜のように華やかな晩餐会が催されたといいます。「ヴェルサイユ宮殿の食卓芸術」は、ヴェルサイユでかつて開かれた食卓を、写真とテーブルセッティングによって、再現しようというものです。
本展は、日仏生活芸術協会会長であり洋菓子研究家として名高い今田美奈子氏と、世界ではじめてヴェルサイユ宮殿の内部撮影を許された写真家南川三治郎氏によって、ヴェルサイユ宮殿の食卓を再現する、コラボレーション展です。
南川氏が撮影したヴェルサイユ宮殿の外観、内部写真31点を背景に、フランス文化に精通した今田氏による王侯貴族たちのテーブルセッティング6卓が展開されます。
なかでも、横幅6メートルにも及ぶ巨大画面に映し出した《鏡の回廊》と、マリー・アントワネットの結婚の晩餐をテーマに展覧する、豪華なテーブルセッティングのコーナーは、本展の目玉ともいえるでしょう。
また、約2メートル四方で再現された、今田美奈子氏による「お菓子のヴェルサイユ宮殿」も特別出品されます。