描かれる北海道、生み出されるイメージ
北海道という場所について、私たちが共通して思い浮かべるイメージがあります。雄大な自然、爽やかな夏と厳しい冬の寒さ、小樽や札幌、函館をはじめとする街の風景、アイヌ民族の文化などがその典型としてあげられるでしょう。これらは絵画のモティーフとして、多くの画家たちによって繰り返し描かれ、また描かれることで新しいイメージが生まれ、定着してきました。
本展では、当館の所蔵作品を中心に、江戸・明治期から現代へと時間を超えて、さらに北海道各地という空間をめぐりながら、旅をするようにそのイメージをたどります。
発見される、新しい北海道
近年、国際的な観光地としても注目を集める北海道。映画や小説の舞台となったり、炭鉱アートや産業景観として紹介されたりすることがきっかけとなり、新しい北海道のすがたが発見されることも少なくありません。おもに1990年代以降の芸術作品に登場する北海道にも注目し、その表象のあり方を探ります。
さあ、美術館で、まだ知らない北海道に出会う旅へ―。