このたび神田日勝記念美術館では、尾道市立美術館(広島県)との収蔵品交換展として同館名品展を開催します。
神田日勝(1937-1945)は独立展(独立美術協会展)を作品発表の場としました。本展では、独立展を活動の舞台とした尾道ゆかりの画家・小林和作を中心に、小林が師と仰いだ梅原龍三郎や中川一政、また独立展の創立会員・清水登之ら、大正から昭和初期の洋画界を牽引した神田日勝の先達たちをご紹介します。
風光明媚な尾道をこよなく愛した小林和作は、尾道水道をはじめ、全国の岬や名山に赴き、数々の景勝を描きました。画家の筆触(タッチ)が一面に広がる作品は、まるで色とりどりの結晶で埋め尽くされているかのようにきらめき、豊麗な世界を織り成しています。約50点の絵画が並ぶ展覧会場で、神田日勝が触れたであろう時代の空気を感じていただければ幸いです。