本展では漢~唐代の動物俑(よう)(人形)をはじめとして、西アジアから東アジアにわたる動物(牛、馬、羊、犬、豚、鹿、豹、ラクダなど)に関連した多数の考古資料を展示します。
騎馬民族のコーナーでは、鹿を並べて文様化した「青銅三鹿文帯金具」や、ユニークな表情の牛を表した「牛頭形飾金具」など、多彩な遊牧民の動物意匠の世界を紹介します。
シルクロードは前漢の武帝が宿敵の騎馬民族、匈奴(きょうど)に対するために大月氏(だいげっし)に張騫(ちょうけん)を派遣し、また、西方の駿馬を求めて大宛(だいえん)に大軍を派遣して「汗血馬(かんけつば)」を得ることに成功した時に開通したとも言われますが、そうした西方からもたらされた名馬の姿は馬の俑に窺い知ることができます。このシルクロードを通じて盛んに絹や玉(ぎょく)、金銀などの高価な品々が交易されましたが、胡人(西方の人)やラクダの俑はシルクロードを往来した隊商を彷彿(ほうふつ)とさせます。
このほか、イランの「鍍金銀帝王狩猟文皿」では王による狩猟の様子などもご覧いただきます。
本展を通じて多くの方々にさまざまな動物意匠の世界に触れていただければと思います。
また、会期が夏休み期間となっておりますので、お子様連れでぜひご来館ください。