今企画展では、川上澄生がその作風を確立した時期、大正8年(1919年)から昭和13年(1938年)までの20年間を取り上げます。大正から昭和にかけて興った新しい版画のための創作版画運動の流れの中で、川上澄生もすばらしい作品を多数く制作しました。そもそも創作版画とは何であったのかをここで改めて問い直し、澄生がどのような位置で版画制作を続けていたのかを、当時の作品や創作版画誌資料を通して探ってゆきます。今回は川上澄生の青春時代の作品と共に、川上澄生が志を共にして新しい版画運動を行ってきた朋友、深沢索一、平塚運一、川西英、恩地孝四郎、前川千帆、谷中安規などの作品も同時に展示いたします。