栗原市出身の狹間二郎は、古里・栗原や仙台近郊の風景、牛馬などを大胆にデフォルメし力強い色彩で描いた作品が独立展で高く評価され、東北を代表する独立美術協会の作家として活躍しました。
戦後は独立展、河北美術展に作品を出品しながら、展覧会の開催や洋画研究所を開設し後進の指導にあたるなど仙台画壇の中心作家として、東北の美術発展や女性絵画グループの結成にも尽力しました。60歳で病に倒れ、利き手が不自由になった後も左手で最晩年まで意欲的に制作を続けました。
本展は、長男で俳優の菅原文太氏と長女の佐藤合子氏が栗原市に寄贈した油彩画、木版画、デッサン、スケッチ779点より、1930年代から第51回独立展に追悼展示された絶筆の《遊》まで、油彩画約50点を展示して狹間二郎の画業を辿ります。制作と後進の指導に尽力した画家としての活動の中心地・仙台では初の本格的な回顧展になります。詩人でもあり「絵はポエジー」と語り、「詩的冥想の画家」と評された詩情豊かな狹間二郎の世界をどうぞご高覧ください。