この度、武蔵野美術大学 美術館・図書館では展覧会「平面を超える絵画:インスタレーションと日本画的感性」を開催いたします。
本展は、昨年度当館にて開催されました「絵の始まり 絵の終わり ―下絵と本画の物語」に続く、現代における日本画の動向に注目した展覧会です。「絵の始まり 絵の終わり」展では、近世の絵師から、近代、現代の日本画作家までの下絵や素描を紹介し、彼らの筆跡をたどることで、近代日本画の成立前夜から今日の日本画の行方を示しました。今回の「平面を超える絵画」展は、本学で日本画を学んだのち、その枠組みを超えて立体的、空間的な作品(インスタレーション的作品)を制作している作家3名、出月秀明、栗林隆、吉賀あさみに焦点をあて、彼らの作品を「平面を超えた絵画」として捉える試みです。彼らが発表する作品は、それを立体やインスタレーションと分類する事には収まらない「絵画性」をはらんでいるように見えます。風景など自然への感性や装飾的造形性を内包しながらも、メディウム的規定を超えた表現を模索する作家たちの、新たな作品のあり方を探ります。