「20世紀最後の巨匠」と称えられた画家、バルテュス(1908~2001年)の夫人であり、自らも画家、随筆家、作陶家として活躍する節子・クロソフスカ・ド・ローラさん。バルテュス財団の名誉会長やユネスコ平和芸術家などの社会活動に積極的に取り組んでいます。
節子さんは40年以上ヨーロッパで生活し、その中で祖母から受け継いだ着物を身につけるなど、日本人の和の心を大切にしてきました。また、四季折々の庭の花でしつらえた部屋と食器や料理にこだわった手作りのおもてなしは、高い美意識と愛情に溢れており、多くの共感と憧れを集めています。そして節子さんは現在も、バルテュスの終の住処となった、260年もの歴史を持つスイス最大の木造建築「グラン・シャレ」で、和、洋、それぞれの良き伝統を融合させた暮らしを続けています。
本展では、節子さんの絵画作品をはじめ、着物や愛用品、手作りの品、自身がデザインした食器を用いたテーブルコーディネートなど約180点を展示し、節子さんの美しく豊かな暮らしを紹介します。