コレクション展Ⅱでは、プリントという手法に焦点をあて、所蔵作品の中から版画と写真をご紹介します。
プリントは版を写すという意味を持っています。版画や布の文様、また写真のようにネガ現像を焼き付ける事などを指し、版があれば同じ作品を多く作る事が出来ます。古くから出版物の挿絵や図版は版画で制作されていましたが、19世紀後半に写真のプリント技術が普及し、版による造形表現に写真も大きな位置を占めてきました。
本展では、呉市出身の南薫造、朝井清、水船六洲、また彼らとゆかりのある棟方志功、馬渕聖、永瀬義郎たちの大正期から平成までの木版画、銅版画、リノカット版画の作品を展示します。
写真では叙情的な写真で知られる緑川洋一が、戦後撮影した《呉海軍工廠被爆》と《巨大タンカー誕生》シリーズを30点すべて展示します。また、写真家木村伊兵衛と林忠彦が撮影した海の恵み、海と共に生きる人々の生活と情景をテーマにした作品を紹介します。この機会にぜひご覧ください。