東京国立近代美術館は、本年12月1日をもって、開館50周年を迎えます。当館は、昭和27(1952)年に東京都中央区京橋の旧日活本社ビルを改装して開館して以来、近代日本美術を中心とした展覧会の開催と作品収集を行ってきました。これまでに当館が開催した展覧会は396回、現在の当館のコレクションは約8900点を数えるまでになりました。
この間、昭和44(1969)年には、故石橋正二郎氏より建物(故谷口吉郎氏設計)の寄贈をえて、北の丸公園に本館を竣工しました。その後京橋の建物はフィルムセンターとなり、昭和52(1977)年には北の丸公園内の旧近衛師団司令部庁舎を改装して工芸館が発足しました。本館は、つい最近2年半に及ぶ全面改築を行って本年1月にリニューアル・オープンしております。また、当館はこれに先立つ平成13(2001)年4月より独立行政法人として、新しい組織体制で事業を実施しております。
当館は、近代日本美術の歴史を紹介できるようなコレクション作りとその常設展示の実施をめざして、開館以来、歴史的に有意義な作品の収集と、さまざまな展覧会の開催を通して近代日本美術史の構築を試みてきました。さらに、同時代の新しい表現をどのように捉え、未来に伝えていくかについても継続的なとりくみを行ってきました。このたびの所蔵品展「コレクションのあゆみ」は、こうした当館の50年間の活動を11の章に分け、およそ290点の作品によってコレクションの形成を多様な角度からご紹介し、あわせて当館が時代とともにどのように歩んできたかをご覧いただこうとするものです。