現代日本画壇を代表する画家である平松礼二(1941年~)は、徹底したスケッチに基づきながら装飾性豊かな風景画、花鳥画を描き、伝統絵画である琳派を独自の感覚で蘇らせるなど、国内において注目されてきました。
1977年から始まった「路」シリーズでは、木曽路や雨の情景などに思いを託して自らの心の風景を描いてきました。また、1994年にフランスを訪れたことを契機に、モネへのオマージュとして睡蓮の池などを描いた「ジャポニスム」シリーズの制作が始まり、近年は、フランスのジヴェルニー印象派美術館やドイツのベルリン国立アジア美術館での個展が好評を博すなど、国際的にも高く評価されています。
本展は、平松作品の国内最大のコレクションを有する箱根・芦ノ湖 成川美術館の協力により、初期から近作までの大作を中心に約70点を展示し、その多彩な芸術を紹介します。