紙、印刷物の彫刻作品に取り組んできた彫刻家 飯田竜太, グラフィックデザイナーとして平面/視覚情報と向き合ってきた田中義久, その二人の邂逅から生まれたアーティスト・デュオがNerholです。物質とイメージといった別の角度から, 互いに「紙」という日々大量に消費される流通物と向き合ってきた二人の協業は, 大量の像を刻んだ紙の彫刻作品を生み出し, 独特の立体感を持つヴィヴィッドな姿とともに見るものに鮮烈な印象を与えてきました。Nerholは本展覧会にて, 街路樹を少しずつ輪切りにしながら撮影された一枚一枚の写真を, 大きく引き伸ばして束にし, 刻み込んで制作された新シリーズ「multiple―roadside tree」や鏡面紙を用いた新作を発表します。美術館全体を遊歩の場としてとらえ「プロムナード」と名付けられた本展では, 見る角度や距離によって多様な表情を見せる新作を通して, 回遊することから現れてくる作品との関係について問いかけていきます。