収蔵作品展「めぐる四季と生(せい)」では、四季をテーマとした作品を通じて、人と自然と命を見つめます。
日本では、自然の移り変わりから四季を感じることができます。時の流れを伝え、生活に彩りを与えるものとして、古来美術作品にも数多く登場してきました。都城出身の山内多門の山水画には、折々の天候や木々の姿が細かに観察されています。同じく日本画家の益田玉城は、女性と四季の花々を添えて、画面に物語を作り出します。
自然の循環は人生や心の動き、生命の循環にも重ねてとらえられます。出品作品の松本英一郎「さくら・うし・92」や日岡兼三「時」(2002-2)は、自身の心情を自然のモチーフとともに表し、繰り返す命の存在を訴えるものです。
さまざまな災害の記憶も新しい現在、私たちを包み込む自然の存在を通して、生命の彩りや尊さを感じてください。